廃線・未成線全解説 長野県編

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長野県の鉄道路線図である。

廃線も挿入の上、鉄道事業者ごとのネットワーク網で色分けを行なった。

 

JRを除く各社の路線について、詳しく見る。

 

善光寺白馬電鉄 wikipediaで見る ]

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長野駅に近接した南長野駅から、裾花口駅までの7.4kmの路線を運営していた鉄道会社である。善白線という名前で呼ばれており、各所に善白線の記念碑が残っている。

 

全線開業は1942(昭和17)年12月。南長野-善光寺温泉東口(仮)は1936(昭和11)年に開通していた。軌間は1067mm、全線非電化で、ガソリンカーのゼ100形が走行していた。

 

善光寺白馬電鉄線は、その名の通り、裾花口駅より直線距離で25kmほど西進し、信濃四ッ谷駅へ至る計画だった。この計画は戦後まで塩漬けにされ、善白鉄道による建設は難しいことから、国鉄信越西線としての開業が要望されるに至ったが、国鉄の財政難もあり、鉄道敷設法に基づく予定路線に昇格することはなかった。

廃止区間

始発駅の南長野駅は、長野駅から信越本線に沿って南に徒歩5分ほどの場所にある。南長野駅跡には今でも善光寺白馬電鉄本社がある。

長野駅を出ると、大きく右にカーブし、犀川の支流である裾花川に沿って走る。裾花川とはこの先田頭駅まで並行する。

妻科駅は長野県庁の最寄駅である。次の信濃善光寺駅から善光寺までは東へ1.5kmほど距離があり、善光寺へはバスが至便である。

茂菅駅で長野市街地は途切れ、この先は国道406号(鬼無里街道)とも合流し、裾花川の渓谷を進む。蛇行を左岸、右岸、左岸と2本の橋梁で渡ると、裾花口駅まで左岸を走行する。

終点の裾花口駅の手前は裾花ダム建設により水没しており、このことが廃線の決定打になったと言われている。裾花口駅以遠への延伸の際には路線の付け替えが必要である。

茂菅駅ー裾花口駅間は険しい山岳路線ではあるが、善白線は谷形に沿って敷かれており、隧道は長くても100m程度のものが2,3本あったものと思われる。

裾花口駅跡には、善白線裾花口駅の記念碑が残っている。

未成区間

裾花口駅を出ると、裾花ダムの堤体を避けるため、500m級のトンネルで左岸の岩盤を貫く。国道406号は右岸を貫いている。

芋井駅は、ダム湖左岸、芋井集落から下ってくる県道406号と国道の交点付近に設定した。

国道の戸隠橋とともに裾花川を渡り、右岸に沿って進むと、旧戸隠村域に入り少し土地が開け、戸隠駅に着く。平地の奥には常盤石橋駅がある。

左岸を行く国道は大幅な改修が行われ、トンネルやロックシェッドの続く区間であるが、右岸を走行するであろう善白線のこの区間は、難所と呼ばれることになろう。

鬼無里村域に入り田畑が見えるようになると、鬼無里駅である。未成区間の沿線で最も人口の多い地域で、鬼無里までは長野駅から路線バスが善白線に沿って走っている。

比較的侵食の緩やかな鬼無里の谷を進み、西京駅、田頭駅と停車する。

田頭駅を過ぎると国道406号と裾花川の支流である天神川とともに進路を南に変える。この渓谷は直線的に続いており、推定活断層により形成されたと考えられる。(長野県活断層分布図、1985)

国道は谷を再奥部まで辿り、短い隧道で峠を越すが、鉄道にこの峠を越えることはできないであろうから、善白線は一気に西進、3km超の長大トンネルで姫川の谷に出る。きっと後世になって善白線が建設されることになれば、国のお金も入って建設が不可能なことはないだろう(?)

ここからは姫川の支流である峰方沢の側を走る。谷を丁寧に擦りながら標高を下げ、左カーブで大糸線に合流して、信濃四ッ谷(白馬)駅に到着する。

 

 

 

 

 

*なお、表示している駅名は、JRの場合、当該路線を走行している(した)優等列車の停車駅を選んだ。

 

スペースとも相談して、以下のように表示している。

 

 しなの鉄道線:「あさま」最速達列車の停車駅

 

 飯田線:「こまがね」「伊那路」「飯田線秘境駅号」

 

 中央東線:「あずさ」停車駅

 

 中央西線:「しなの」「諏訪しなの」停車駅+田立駅

 

 篠ノ井線:「しなの」停車駅

 

 大糸線:「あずさ」停車駅+中土駅 

 

 北陸新幹線:全駅